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コラム・対談リーダーの意思決定がうまくいかない9つの要因

2021.12.13

リスクコミュニケーションの取り組みを成功させるためには、トップマネジメントによるリーダーシップの発揮が最大の成功要因です。さらに有事の際、危機対応の明暗を分ける要素として、リーダーの意思決定が必要不可欠です。

全米最大の人材開発/研修会社のゼンガー・フォークマンが、5万人以上のリーダーのデータから、最高の意思決定者と最悪の意思決定者の間で、統計的な違いをもたらした行動の因子分析を行いました。調査の結果、意思決定が失敗する9つの要因が浮上しました。

この9つの要因は万が一の時、リーダーが意思決定をあやまらないために、大変参考にできる内容になると考えます。

1.怠惰
事実確認したり、率先して行動したり、仮定を確認したり、追加の情報を収集したりしないことが要因のひとつです。このようなリーダーは、基本的に仕事がずさんで、自分が前に出たくない思われています。彼らは過去の経験に頼り、期待される結果は単に過去の延長線上にあるものでした。

2.予想外の出来事を予測しない
人生にネガティブな出来事が起こる可能性を考えるのは気が滅入るので、ほとんどの人は最悪の事態は起こらないと思っています。しかし残念ながら、悪いことはよく起こります。人は死ぬし、離婚するし、事故に遭います。市場は暴落し、住宅価格は下がり、友人は頼りになりません。悪いことが起こるかもしれないと考える時間を持てば、人は問題を予測するのが非常に上手になることを示す優れた研究があります。しかし、多くの人はそのような単純なデューデリジェンスの時間を取ることを避けます。

3.優柔不断
一方で、絶えず変化するデータに基づく複雑な意思決定に直面すると、長々と調査を続けたり分析を行ったりしてしまいがちです。報告書や分析に予想以上の時間がかかると、意思決定者は遅れをとり、チャンスを逃してしまいます。データを見て責任を持って結果を検討し、前に進むには勇気が必要です。多くの場合、優柔不断は間違った決定を下すよりも悪い結果をもたらします。1つの失敗が自分のキャリアを台無しにしてしまうのではないかという恐怖心から、一切のリスクを回避してしまう人が多いのです。

4.過去にとらわれている
過去のデータやプロセスを使い続けることで、誤った判断をしてしまう人がいます。このような人は、過去にうまくいったアプローチに慣れてしまい、よりうまくいくアプローチを探そうとしない傾向があります。しかし多くの場合、古いプロセスはもはや形骸化しているケースが多いのです。

5.戦略がない
間違った意思決定は、問題を全体的な戦略に結びつけられないことから生じることがあります。背景となる明確な戦略がない場合、多くの解決策が意味をなしているように見えます。明確な戦略にしっかりと結びついていれば、より良い解決策がすぐに浮かび上がってきます。

6.過剰な依存
ある決定がなされないのは、リーダーが他の人の決定や意見を待っているからです。効果的な意思決定者は、必要に応じて独立して行動する方法を見つけます。

7.孤立
リーダーの中には、答えを迅速に受け取るための手段を講じていなかったり、必要なときに他の人の専門知識を利用できるような関係を築いていなかったりする方がいます。
多くの効果的な意思決定に関する研究では、関連する知識、経験、専門性を持つ人を巻き込むことで、意思決定の質が向上することがわかっています。
正しい情報にアクセスするためのネットワークスキルが不足している場合があります。また、自分の手柄にしたいがために、他の人を巻き込むことができない場合もあります。残念なことに、間違った決定の責任を負うことにもなるのです。

8.技術的な深みがない
今日の組織は非常に複雑であり、最高のリーダーであっても、多面的な問題を完全に理解するだけの技術的な深さを持ち合わせていません。しかし、意思決定者が自分の視点を持たずに他人の知識や専門性に頼ると、それらの情報を統合して効果的な意思決定を行うことが困難になります。また、基本的な知識や専門知識さえもない場合、ある決断が素晴らしいものなのか、ひどいものなのかを見極めることができません。私たちは、最高のエグゼクティブは深い専門知識を持っていると考えています。そして、直面している意思決定の意味を理解するための技術的な深さをまだ持ち合わせていない場合、彼らは必要な人材を見つけることが必要となります。

9.「何を」「どこで」「いつ」「どのように」を伝えていない
悪い意思決定になってしまうのは、人々がそれを理解していないか、知ってさえいないからです。意思決定の実行を成功させるには、意思決定とその根拠、意味合いを伝えるコミュニケーションを行うことが重要です。

他の人の意見を待っている時間が長すぎると、適切なタイミングで適切な情報を得ることはできません。不十分なスキルでインプットを理解できない。過去にうまくいっていたことが、今はうまくいかないことを理解できない。十分な情報がない中で決断を下すべき時と、より多くのアドバイスを待つべき時を見極めることができない。このような要因で誤った意思決定につながります。
良い意思決定への道は狭く、まっすぐではありません。しかし、これらの落とし穴を心に留めておくことで、どんなリーダーもより効果的な意思決定者になることができます。

参考文献:
https://zengerfolkman.com/articles/9-habits-that-lead-to-terrible-decisions/

(執筆者:代表理事 大杉春子)

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