Student Voice /008

学びを社内啓発やリスク体制に反映
広報から信頼を築く活動へ
炎上リスクを未然に防ぐのは、日々の言葉選びの積み重ね。

サンスターグループ 広報部 広報グループ長
一坂 理絵 様
サンスターグループの広報として、日本国内におけるコーポレート、消費財、生産財事業の対外広報・社内広報・ウェブサイト運営を統括されている一坂理絵様にお話を伺いました。
一坂様はグローバル広報とも連携し、コーポレート関連のプロジェクトを推進。特に対外広報では、攻めの広報と、守りの広報としてリスクコミュニケーション対応を最前線で担い、炎上リスクの低減や報道対応など、企業の信頼を守るための実務を行っておられます。
ーー RCベーシック講座を受講したきっかけは何でしたか?
広報業務の中でも、リスクコミュニケーションは企業の信頼を守るうえで極めて重要な領域です。広報グループ長として、最前線でメディア対応を担う中で、組織としても自分自身も、リスク対応力をさらに高めていく必要性を強く感じていました。
特に対外広報では、報道対応や炎上リスクの低減など、日々の実務で判断を迫られる場面が多く、体系的な知識と視点の整理が不可欠だと痛感していました。そんな折、RCベーシック講座をご紹介いただき、実践的かつ理論的に学べる貴重な機会だと考え受講を決意。対応の精度向上だけでなく、社内での共有や体制づくりにも活かせると感じています。
ーー 日々の広報業務において、特に意識されていることは何でしょうか?
広報業務において私が大切にしているのは、状況を俯瞰して冷静に判断すること、そして常に客観的な視点で自社を見つめる姿勢です。
社内からの視点だけでなく、世間からどのように受け止められるかを意識することで、より正確で信頼される情報発信につながると考えています。
また、単に「伝える」ことにとどまらず、相手に誤解なく「伝わる」メッセージを届けることを目指しています。
たった一文字の違いでも印象は変わるため、言葉選びや情報の見せ方にも工夫を重ね、社内外の方々に安心感と共感を持って受け取っていただけるよう心がけています。
さらに、様々なケースを想像しながら対応することで、先回りした準備や柔軟な対応が可能となり、より質の高い広報活動につながると考えています。
ーー 実際にリスクコミュニケーション講座を受講してみて、どのような学びや気づきがありましたか?
講座で体系的に学べたことがリスク対応に大きく役立ちました。
特に心理学の講座が印象的で、リスク認知のゆがみ、とりわけ「非現実的楽観主義は避けられないが、自身も含めみんなそうなっているんだと理解したうえで判断することが重要」という考え方が心に残りました。
この学びのおかげで、実際の対応でも冷静に判断できたと感じています。
個人的なことにもリスクは当然あるわけで、公私に渡って講座で得た知識で人として深くなったと思います。
ーー 会社としての一坂様、個人としての一坂様…どちらにもリスクコミュニケーションの知識が活かせたという話はとてもうれしいです!そこまで身に着けられたということはかなりしっかりと受講していただいた結果だと思われますが、講座の学習の中で難しかった点や大変だったことはありましたか?
業務で疲れた夜に勉強しようとすると、苦手な分野の動画は一度聞いてもなかなか頭に入ってきませんでした(笑)
オンライン講座は、見返すことができるのでそんな時は、日を改めて学びなおしました。
また、皆さんおっしゃっていますが時間の確保が難しかったですね。最終的には週末集中して勉強するのが私にはあっていました。
ーー 「いつでも受講できる」「繰り返し受講できる」というオンデマンド講座の利点をフル活用していただきありがとうございます。その結果、キャリアや組織づくりに、どのように活かせると感じていますか?
講座を通じて得た知識や視点は、広報としての専門性を高めるだけでなく、組織内でのリスク対応体制の構築にも活かせると感じています。
今後は、社内での啓発や仕組みづくりにも関連部署と共に取り組みながら、より戦略的な広報活動を展開していきたいと考えています。
また、経営層や関係部門との連携を強化し、広報が果たすべき役割を組織全体に浸透させていくことも、重要なテーマだと捉えています。
ーー これからリスクコミュニケーションに取り組もうとしている方にメッセージをお願い出来ますか?
広報の方にとって、本講座で体系的な知識を得ることは、対応の軸を築くうえで心強く感じられると思います。それだけでも、実務に向き合う際の心の安定につながるため、非常におすすめです。
一方で、実際のリスク対応は状況ごとに異なり、決まった正解があるわけではありません。だからこそ、様々な要因を見極めながら、自身の「引き出し」から最適な対応を導き出す力が求められます。
今回の学びは、その引き出しを増やすうえで有効です。また、クライシス時には広報担当者だけでなく、全社で取り組むため、関連部門との連携が不可欠です。
広報以外の方にとっても、リスクコミュニケーションの基本を学ぶことは、対応力を高めるうえで役立つと感じています。

